2019/08/04
先日、NHK NEWS WEBで、それぞれの「火垂る」という記事を目にしました。1988年に公開されたアニメ映画「火垂るの墓」。空襲で親を失ってしまった14歳の兄と4歳の妹が、たった二人で生き抜こうとして、途中で力尽きてしまうという過酷な運命が描かれています。ポスターには、夜空を飛び交う蛍を眺めている妹の笑顔と見守る兄の優しい表情が描かれていると想っていたのですが…
インターネットで指摘されていたように、「よく見ると上空にB29爆撃機の陰影が描かれていたり」、「蛍だと想っていたのは焼夷弾や曳光弾」で、ポスターの基本的なデザインを担当し、映画の監督を務めた高畑勲監督で、幼い頃に経験した空襲の様子が色濃く反映されていたそうなんです。
また、原作者の野坂昭如さんの小説の兄・清太のセリフにも、空襲の異様な光景を表した一文があったそうです。映画もそうですが、たった1枚のアニメ映画のポスターにも、忘れてはいけない、世代を超えて伝えなければならない大切なメッセージが込められていると想いました。